現在は、木材用接着剤などの技術開発をおこなう部署に所属しています。お客様からの「もっと耐久性を上げたい」「扱いやすくしたい」といった要望に応えるために、配合や条件を検討し、試験・分析を繰り返しています。
また、営業担当と一緒にお客様先を訪問し、直接お話を伺うこともあります。最初は知識も浅く緊張しましたが、「現場の声を聞くことで、研究の方向性が具体的になる」と感じています。研究室の中だけでは得られない気づきが多く、お客様とのやりとりが自身の学びにもつながっています。
入社3年目には、新しい用途の開発テーマに参加し、特許申請に向けた研究データの整理にも携わりました。研究成果が特許となっていく過程を経験できたのは、大きな自信になりました。

学生時代は生命工学科で、光合成をおこなう微生物の遺伝子を解析する研究をしていました。子どものころから虫や自然が好きで、「生物の仕組みを科学で解き明かしたい」と思い、この分野を選びました。
就職活動では、研究を続けられるメーカーを中心に探していましたが、多くの企業では「研究職は修士以上」が条件でした。私は学部卒だったので、最初は研究職を諦めるしかないかもと思っていました。そんな中で出会ったのがMGCウッドケムでした。学部卒でも研究開発に携われると知り、「ここなら自分の手で研究を続けられる」と強く惹かれました。

この仕事では、お客様の要望を実現するために、配合や条件を考え、実験を重ねて性能を確認します。思っていた結果が出ないことも多く、最初の仮説どおりに進むことはほとんどありません。次の仮説を立てて検証実験をおこない、結果を追いかけていく。その繰り返しです。
大変ではありますが、その積み重ねの先に「狙った性能がきれいに出た」と確認できた瞬間、理屈と結果がピタリと一致したときの面白さがあります。それは学生時代に研究をしていた頃の“科学の喜び”とまったく同じ感覚です。
今は、その結果が自分の中での完結にとどまらず、お客様の課題解決や製品づくり、さらには森林資源の循環という環境への貢献につながっていく。自分の研究が誰かの仕事や社会の中で役に立っていることを実感できる点が、この仕事ならではのやりがいだと思います。

有給休暇は事前申請で問題なく取得できます。オン・オフの切り替えもしやすい環境です。
休日はインドア派なのですが、晴れた日は草むらで虫を観察することもあります。「自然には干渉せず、覗かせてもらう」というのが私のスタイル。子どものころから続く“自然好き”は、今でも変わりません。
研究も趣味も、どちらも「観察して、考えて、積み重ねていく」点では共通しています。そんな自分らしいペースで働けることが、この会社の良さだと思います。